夏と冬の奏鳴曲(ソナタ)
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人気ランキング : 41,335位
定価 : ¥ 980
販売元 : 講談社
発売日 : 1998-08 |
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恐ろしい作品 |
バリバリのアンチミステリ。謎が謎を呼び、物語の後半から驚愕する展開の連続。 著者は読者にどれだけのレベルを望んでいるのだろうか。張り巡らされた伏線。明示されない謎解き。読み終わった瞬間唖然とした。こんな作品がまかり通るのか。 しかし、面白さは秀逸。ページをめくる手がとまらない。前作、翼ある闇に比べてリーダビリティが上がっているのも感心する。
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聖なる愚者の物語 |
カバーの目立つ位置に「PARZIVAL」と書かれている。
ワーグナーのオペラでも知られるパルシファル(パルチヴァール)、「穢れ無き心を持つ聖なる愚者」である聖杯の騎士のことだ。
おそらく主人公・如月烏有は「聖なる愚者」なのだ。
いつの日にか彼は、パルシファルのように、自分が本当は何者であるかを知り、王位を継承する事になる。
「銘探偵」という王位を。
本作は、言わば壮大な序章である。
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ピカソに捧げられるべき小説、或いはブラックか |
賛否両論。その全てが存在した作品である。
どのようにも捉えられる謎。それに付随する無駄なトリック。
しかし得てしてそのトリックすらも何故か感動を呼ぶ仕掛け。
裏表紙にはこう書かれている。
「メルカトル鮎が最後に全てを解決する」
してねーよ。
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青春の喪失感 |
絶海の孤島、風変わりな人々、奇怪な出来事、そして殺人…。
物語は、本格ミステリという階段を一段一段上っていくかのように展開する。
そこに突然訪れる、段から足を踏み外すような悲劇。それに耐えながら必死で上り詰めた先に待っていたのは、解決という素晴らしい景色…ではなかった。
確かに謎は氷解し、主人公は何も失わなかった。それでもなお、理不尽な謎が残り、呆然とするような喪失感が残ったのだった。それは同時に、主人公が「大人」になったということなのだろう。
ミステリという枠組みでは星2つがせいぜいだが、青春小説としては星5つ以上だと思う。
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爆弾 |
推理小説というのは、つまるところ、最後に「合理的な解決」を求めて進んでいく小説だとも云えるわけです。いわゆる「本格」ミステリと銘打たれたものは、そもそもそれが第一義目的ですよね、大概の場合。
で、この作家さんは、綾辻行人氏らを輩出した、あの名門京都大学推理研の出身なんですね。きっと、古今東西のミステリ、或いは推理小説の海に浸かったような学生生活を送ってこられた事でしょう(多分)。だから、ミステリのエッセンスは、身体の芯までしみわたっている人の筈(おそらく)。
幻想的な緊迫感(?)と、サスペンスフルな雰囲気でもって物語は進みます。過去の因縁、人間関係、特異なキャラクター群。魅力的です。
そして、終盤の怒涛のカタストロフィの後に待っているのは!「合理的な解決」、かと思いきや‥‥。目眩にも似た読後感が残ります。これは強烈。
因みに、殺人事件のメイントリックですが、こんなの看破できる人居ません。でも、問答無用にねじ伏せられてしまう事でしょう。僕はそうでした。